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スギダラとは 「杉だらけ」の略です(略されているのは「け」だけという話もありますが)。
スギダラプロジェクトを一言で簡単に説明すると、戦後の植林によって杉だらけになってしまった日本の山林をやっかいもの扱いせず、材木としての杉の魅力
をきちんと評価し、産地や加工者、流通、デザイン、販売など杉を取り囲むシステムを結びつけることで、杉をもっと積極的に使っていこうじゃないか! とい
う運動です。つまり、これからは山じゃなくて、街や住まいを杉だらけにしていこう! ということです。もちろん、ただダラダラと日本全国杉だらけにするの
ではありません。クオリティの高い、愛情のこもった、杉ならではのモノたちを世の中に広く行き渡らせよう、というプロジェクトです。
ところで、小さい頃、幼稚園で先生のオルガンに合わせて歌った「お山の杉の子」を覚えていますか? (そんなのは知らない、という人はお祖父ちゃんやお祖母ちゃんに聞いてみてください)
むかし、むかし、そのむかし、椎の木林のすぐそばに
小さなお山があったとさ、あったとさ
で始まる唄。お日様に声を掛けられて目を覚ました杉の子がグングン成長して、いろんなものに活用され、国の発展に役立つ、という内容の歌詞です。その5番には、
大きな杉は 何になる
お舟の帆柱 梯子段
とんとん大工さん たてる家(うち) たてる家
本箱 お机 下駄 足駄
おいしいお弁当 食べる箸
鉛筆 筆入 そのほかに
たのしや まだまだ 役に立つ 役に立つ
*吉田テフ子作詞/サトウハチロー補作・佐々木すぐる作曲
とあります。実はこの歌詞、終戦後に改正されているんですね。戦時中、つくられた当時の歌詞では「お舟の帆柱 梯子段」のところが「兵隊さんを乗せる舟」
であり、「とんとん大工さん たてる家」のところは「傷痍(しょうい)の勇士の 寝るお家(うち)」でした。戦時中から戦後にかけての日本で、いかに杉が
もてはやされていたかということがわかります。
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